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Interlinguaを学ぶことが,スペイン語を最も早く習得する方法?

2010-09-19 by ebon | Lavel: ,

「ある自然言語を習得するために、まず人口言語を学ぶ」
というアプローチは人口言語の紹介と共に、よく提言されている.

その例のひとつとして、
ロマンス諸語を学ぶ場合にinterlingaをまず学ぶ
というアプローチがある.

このアプローチをざっくり言うと、「ロマンス諸語によく似ていてより簡素なinterlinguaをまず学んでおけば、コア感覚が養われて他のロマンス諸語を学ぶときはすぐ学べる!というものだ.

しかし、このアプローチの紹介日本人にとってはメリットが薄いと考えられる.
ここでは、概要の紹介と、メリットが薄そうと考える理由を記載してみる.

※そもそもinterlinguaとは という所は、
wikipedia(english), そして以下の本によくまとまっている.



アプローチ紹介


「自然言語を学ぶために、まずinterlinguaを学ぶ」という方法を推奨する人間の主張は,
大きく以下にまとめられる.

1. 自然言語より速く学べる.そのためロマンス諸語に共通するコア文法を速く習得できる.
2. (学習者がロマンス諸語母語話者であれば)既に一部の知識を持っている.そのため短期間で学べる.
3. interlinguaそれ自体,ロマンス諸語母語話者にある程度通じる.


特に英語圏(構造が近いとはいえ、ロマンス諸語を学ぶ機会・必要性は少ない)の人間にとっては、
このアプローチは魅力的に移るようだ.

以下に参考リンクを上げておく.

Speed learn romance lanuages via Interlingua

Which is better to learn Ido,Interlingua or Esperanto?

Fastest Way To Learn Spanish

このコンセプトを持った語学学習ソフトウェアもあるようだ.

なのだが、商品ページにいくと、その部分がほとんど強調されていない・・
普通のよくあるオーディオリンガル系ソフトウェアと大して変わらないように思える.

この方法の良い点・悪い点をもう少し考えてみたい.


interlingaを通して自然言語を学ぼうとするアプローチの良い点・悪い点


良い点は、先にあげたものだ.少し説明を足しておく.

■良い点

1. 自然言語より速く学べる.そのためロマンス諸語に共通するコア文法を速く習得できる.
 (学習者がロマンス諸語母語話者であれば)既に一部の知識を持っている.そのため短期間で学べる.

2. interlinguaは作成時、ロマンス諸語から単語を取り入れている.
 そのため、これら言語について知識があれば、一部の単語は既に知っていることになる.

3. interlinguaそれ自体,ロマンス諸語母語話者にある程度通じる.
これについては実際どうなのか良く分からない..

■悪い点

1. 人口言語のわりに規則性が弱く、自然言語に近い

>国際共通語の夢 より引用

ところが、新インテルリングワは、前に見たように、人称代名詞など、様々な部分に置ける不備、単語のゆるみ、多義性、無意味な重複、造語力の欠如など、国際共通語に必要と思われる条件と背馳する要素に満ちている。これらは、ゴード(新インテルリングワの作者)が、自分の言語をロマンス語の外見に似せようと狂奔するあまり、持ち込んでしまった混乱である.
その結果、新インテルリングワは、自然言語に匹敵するほど、学びにくい言語になってしまった.

西欧優生主義が生み出した混乱した言語という印象を受けてしまう.
# ここでは一部だけを抜き出して紹介しているためフェアではないかもしれない、
同本には古今東西の人工言語の歴史・特徴が書かれているので、詳しくはそちらをご参考に.

ここまでは、言語自体の性質からくる問題だ.
それに加えて、学習環境については、もっと深刻である.

2. 学習環境が整っていない

  •  教材も少ない
  •  話者になると皆無
  •  上記言語的思想・性質により、広まりそうもない

これは例えば,エスペラントの学習環境と比較しても断然劣る と言えるだろう.

メジャー(話者の多い)なロマンス諸語であれば、日本でも教材・話者と共に、困ることはない.
つまりinterlingaを学ぶことに意義があると言うためには、上記の良い点が,これら致命的な悪い点を上まらなければならない.


日本人にとってはやはり恩恵が得られにくそう


良い点1,2 については、日本人にはそのまま当てはまらない.
よって、言語としての規則性の高さ・そこからくる学びやすさ が問題となる.

だが、その言語としての性質も、人口言語というよりは自然言語に限りなく近いと言えそうだ.
これでは、肝心の学びやすさについて、特に学びやすい訳ではないことになる.
そんな中、環境が充実しているスペイン語・イタリア語その他をひとまず置いておいて、
interlinguaを学ぶモチベーションを見いだすことは難しい.

つまり、日本語話者にとっては、良い点の恩恵をあまり教授できず,悪い点の影響を特に受けやすいという状況と言える.
これでは、interlinguaを学ぶメリットはほとんどないと思われる.


ただ、現在の活動状況を詳しくは調べていない.
サイトを少しみる限り、精力的な活動もされてはいるようだ.

  • ロマンス諸語を "複数" 学びたい (特に,スペイン語・イタリア語・ポルトガル語によく似ているらしい)
  • かつ人口言語・あるいは言語的に興味がある

という状況の人にとっては、土台作り・好奇心のため、interlingaを通して学習を始めることは十分意義があるかもしれない.

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