newscientistは、科学,テクノロジー,環境問題、社会科学と、結構な量の良質記事を日々提供しているサイトで、毎日に近いペースで見ている.
そんなnewscientistにて、日々の生活のTipsとして、すぐ役に立ちそうな心理学実験が紹介されていた.
常々、私たちは自分にとって好ましくない、できれば避けたい欲求と戦っている.
食べ過ぎ、飲み過ぎ、寝過ぎ、喫煙 ... これからの正月季節には増々抵抗しがたいものとなる..
そんな欲求への対処として、あれやこれや仕組みの力を用いてコントロールしようとするが、どれもうまく行かず,しばしば結局は忍耐に頼りがちだ.
そしてそれはどうやらそれはかなり間違っているアプローチようである.
そんな心理学実験を紹介するのがこの記事で、ポイントは以下だ.
- ある行為を控えたい場合、その行為をしている所をまず想像することで、実際にその行為をする欲求をを軽減する事ができる
- 行為をしたいという考えをわきにやろうとすることは,返って欲求を強める,逆効果になる.
記事では、主に食欲の抑制を例に紹介を進めている.正確な詳細は記事を読んでいただきたい.
Stuffing yourself in imagination curbs stomach pangs
英語が分かりやすいものとは思わないが、短いのですぐ読めると思う.
内容少し紹介
内容を少しだけ紹介したい.研究の中心である、カーネギーメロン大学のVosgerau氏の言葉を引用する.
"例えば人は禁煙すると、その後しばしば強い喫煙したい衝動に駆られる、そしてそれを鎮圧しようとしてきた"と、Vosgerauは言う.
"しかし私たちの理論によると、すべきことはその反対で、それをしているところを想像すべきということになる.毒をもって毒を制すだ"
この効果は、精神機能で言うところの、"慣れ"によるものらしい.
繰り返されればその刺激反応は緩和される.
例えばチョコレートを食べたいと思ったとしよう.あなたは当然何個も食べたいと思う.
そして止められず食べ続ける.
だが、10個食べるころには、その欲求はかなり満たされており、
1個目ほどの興奮・刺激はないだろう.それが慣れだ.
消化によるフィードバックでは、遅すぎてこの慣れ作用がなかなか働かない.
(このことは満腹中枢の時間差を例にとり、ゆっくり食べるべきという議論をよく見かけるが..)
そのため、先に想像することで、その慣れ作用を速め、欲求をある程度コントロールできるということだ.
他への応用
この記事では、食欲の抑制に関する議論が中心だが、それに限らず他の衝動的行為の抑制にも応用できるとも言える.つまり、抑制したい事柄があれば、実際にそれをしていることを想像すれば良いという事になる
例えば、以下のような行為を抑制したい方は多いだろう.
- いらいらして喫煙
- 甘いものでストレスケア
- 何かに取りかからなければいけない時のネットサーフィン
- ゲーム
- 惰眠 ...etc
今まで、頭にチラついては我慢し、結局欲求に屈する というシナリオが多かったと思う.
これからはチラつきを消さず、大いに想像するべきである.
"まずそれを行っているところを想像しろ" シンプルで効果的なmindhackと言える.
(というかlifehackとして既に何度も出回っているような気がしなくもないが..)
おまけ:NewScientistについての感想
NewSientistの記事傾向として、特に心理実験や脳機能実験の分野の記事が、同系サイトに比べて多い.立ち位置としては、- scientific americanより社会科学・生活科学が多い、
- wiredよりは科学寄り、
- ars technicaやtechnology review powerd by MITほどテクノロジー特化(これらはtechサイトなので当然そうなのだが)でなく自然科学寄り
というところか.
ただ、論拠の甘いものも気にせず多数紹介するスタンスのようなので、堅めの人間からは非難もあるようだが.
個人的には、同系サイト?の中で好んで購読している.お勧めだ.
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